「佐渡・ギンバソウ 箱めがね漁」

第1回ロケ 2009年3月

 ギンバソウとナガモはどちらも長くて、水中でゆらゆら揺れていて、区別するのはほんとに難しいです。
 ただ、食べてみると、その違いがよくわかります。
 ぬるっとして、なんだかメカブやモズクのような食感があるのがナガモ。ギンバソウの方はもう少し野性味があるというか、ゴツゴツ感があります。
 取材が終わった後に、石塚さんのお家にお邪魔して、ギンバソウとナガモを食べさせてもらいました。征夫さん、カメラの是永さん、たまきさんとぼく。取材チーム4名で海藻をまるで蕎麦のように食しました。
 と、石塚さんがビールを出してくださって、「ほれ、まず、ちょっと」
「いえ、あの、まだ仕事中なんで……」
 言いつつも、手がグラスに動いていくのがかなしい性(さが)……。
 征夫さんをはじめ、たまきさんもぼくも、3名は以前から酒好きなのはわかっていました。が、今までほとんど下戸だった是永さんが、いきなり、このギンバソウ取材で酒飲みの仲間入りを果たしてしまったのです。

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石塚さん(右)に道具の説明を聞くぼく(中央)。カメラを持っているのが征夫さん。
ⓒTamaki Ozaki

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ギンバソウに舌鼓を打つ、取材チーム。右端にちょこっと見えるのが酒飲みの仲間入りをした是永さん。
ⓒTamaki Ozaki

 これは絶対、佐渡の美味しい日本酒のせいでしょう。夕食の一杯にと、佐渡ダイビングセンターの本間さんが、真野鶴という地酒を差し入れてくれました。
 これがまた佐渡の魚にぴったりで、是永さんは「これ、美味しい」を連発。見る間に杯を空けました。「こんなに飲んだことなんて、ないんだけど」と言いつつ、また、グビグビ。征夫さんはじめチームの面々は、ほんとに今まで飲めなかったのかと首を傾げるばかり。
 やはり、水が良いから、佐渡の酒は美味しいのでしょう。ギンバソウもナガモも酒も、みんな佐渡の水が育んでくれたのです。
「土地の水が合う」とよく言いますが、是永さんを筆頭に、みんな、佐渡の水はばっちり合いました。

吉村喜彦